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修業先と店舗探し
東京から車で約2時間の地にセカンドハウスを建てたのが平成元年のこと。
毎週末はそこで過ごし、近くで見つけたラーメンの味がとても気に入り「東京に出店
したら毎日でも食べに行くのにネ」と妻とよく話をしていた店がある。
その店頭に「あなたもこの味で店を始めませんか」
と小さく張り紙がしてあったことが私の記憶の端にと
どまっていて、実は休刊の話があって以来、頭の中で
その張り紙がだんだん大きくなっていたのだ。
学生時代は腰まであった長髪のため飲食店のアルバイト経験はナシ。でも料理を作ること、
食べることが大好きだった。自分の企画力とこの味があればきっと成功する。思いこんだら
一直線。まるで周りが見えなくなってしまう私は、もう事業計画を練りはじめ、成功するイメージ
がいっぱいに膨らんでいた。 社員に退職金を支払ったばかりで手持ちの金はわずか。
それに未だ残る銀行の返済を考えると
頭の中は真っ暗なはずなのに、、、、、